フランスの食材と言えば、チーズ、ワイン、そしてパンを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
実際にフランスの街角で見かけるブーランジュリーは、その地に住む人たちにとって、切っても切れない間柄。
毎日食卓に並ぶものですから、おいしいパンを口にするためなら少し離れた場所にお店があっても買い求めに行きます。
そのため、たくさんのブーランジュリーがあるパリでは、他店より少しでもおいしいバゲットやヴィエノワズリー(スイーツ系パン)を提供するために、パン職人たちは日々腕も磨き、さまざまな工夫をひとつのパンに入れ込みます。
そんなレベルの高いパリのブーランジュリーの中でも、パリジャン、パリジェンヌに『今』人気のあるブーランジュリー情報を、今回は紹介していきますよ!
1.ブーランジュリーで知っておきたいフランス語は?
パリのブーランジュリーであれば、多くの店員さんは英語を話せます。
それでもショーケース内に書かれたフランス語メニューがわからないと、注文に戸惑ってしまうこともあるでしょう。
こちらでは知っておくと便利なパンの名称を、女性名詞、男性名詞の前に付く冠詞(Une・Un)とともに幾つかご紹介します。
1-1.バゲット&ブール系
Une Baguette (ウンヌ・バゲット) |
一般的なバゲット。 サンドイッチのパンとしても使わる。 |
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Une Baguette de Tradition (ウンヌ・バゲット・ドゥ・トラディシオン) |
通常のバゲットより生地を長く寝かせているので、中味はしっとりクラストは固め。 |
Une Baguette aux céréales (ウンヌ・バゲット・オ・セレアル) |
数種類のシリアルを混ぜて焼き上げたバゲット。 粒々の香ばしさがクセになる。 |
Un pain de campagne (アン・パン・ドゥ・カンパーニュ) |
小麦粉やライ麦で作られる田舎風のパン。 日持ちするのが嬉しい。 |
Un pain complet (アン・パン・コンプレ) |
胚芽が入った小麦全粒粉入りのパン。 |
1-2.ヴィエノワズリー系
Une brioche (ウンヌ・ブリオッシュ) |
水の代わりにミルクを使用したシンプルな菓子パン。 |
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Un croissant (アン・クロワッサン) |
バターをたっぷり練り込んだサクサク三角デニッシュ。 |
Un pain au chocolat (アン・パン・オ・ショコラ) |
デニッシュにチョコを挟み込んだパン。 |
Un pain aux raisine (アン・パン・オ・レーザン) |
ラム酒漬けレーズンが入った渦巻き型のデニッシュ。 |
1-3.サンドイッチ系
サンドイッチの中味に入っている具材で、よく見かけるのは次の通りです。ちなみにサンドイッチは男性名詞なので、ひとつ注文する時はUn(アン)を使います。例)Un sandwich jambon, s’il vous plait.→「アン・サンドイッチ・ジャンボン・スィルヴプレ」
Jambon(ジャンボン) | ハム |
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Fromage(フロマージュ) | チーズ |
Thon(ツナ) | ツナ |
Poulet(プレ) | 鶏肉 |
Saumon fumé(ソ―モン・フュメ) | スモークサーモン |
2.パリで話題のブーランジュリー7選
歴史を重ねる老舗店から新しいお店まで、パリの人気ブーランジュリーを7店紹介します。
2-1.La Flute Gana(ラ・フリュート・ガナ)
ゆるぎのない確かな味のバゲットを堪能したいのなら「La Flute Gana(ラ・フリュート・ガナ)」がおすすめ。
1934年に創業した老舗のブーランジュリーで、創業者のパン職人 ベルナール・ガナショーさんは、国家最優秀職人賞(M.O.F)を受賞。
現在は引退していますが、お子さんたちがしっかりと職人技を受け継いでいます。
特にお店の名称にもなっている「La Flute(ラ・フリュート/細身のバゲット)」は、19世紀のポーリッシュ法という製法で作られた看板メニュー。
外側のパリッとしたクラストと、内側の天然酵母特有の香りと口どけを同時に楽しめる絶品バゲットです!
- 住所:226 rue des Pyrénées 75020 Paris
- 営業時間:7:30~20:00
- 定休日:日曜&月曜日
- 最寄駅:メトロ3号線Gambetta 駅
- 公式サイト:http://www.gana.fr/
2-2.Boulangerie Leroy Monti(ブーランジュリー・ルロワ・モンティ)
フランス大統領を同じバゲットを食べたい!という人は12区にある「Leroy Monti(ルロワ・モンティ)」のバゲットがおすすめ。
一見何の変哲もない普通のパン屋さんですが、2019年パリバゲットコンクール(meilleure baguette de Paris en 2019)で優勝した注目のバゲットが購入できます。
このコンクールで優勝したバゲットは、1年間毎朝エリゼ宮へ届けられて大統領の朝食に出されます。
パリ中心部から少し離れているのが面倒ですが、専門家たちの票を獲得した「baguette tradition(バゲット・トラディシオン)」をぜひ賞味してみましょう。
- 住所:203 Avenue Daumesnil 75012 Paris
- 営業時間:7:00~20:30
- 定休日:月曜日
- 最寄駅:Daumesnil
- 公式サイト:https://boulangerie-leroymonti.business.site/
2-3.PAIN PAIN(パン・パン)
モンマルトルのふもと、ジュテームの壁などの観光名所エリアにある「PAIN PAIN(パン・パン)」は、群青色の外壁がおしゃれなパン屋さんです。
この近辺は、おいしいブーランジュリーの多いエリアとしても知られていますが、PAIN PAINも2012年にパリのバゲットコンクールで優勝している実力店。
バゲットはもちろんのこと、ヴィエノワズリーやケーキもかなりイケてます!
ヴィエノワズリーでおすすめなのが、適度な甘さと素朴な味わいのシュケット。イートインもあるので、ぜひその場で味わってください。
- 住所:88 Rue des Martyrs 75018 Paris
- 営業時間:火曜~土曜 7:00~20:00、日曜7:30~19:30
- 定休日:月曜日
- 最寄駅:メトロ12番線Abbesses駅
- 公式サイト:http://www.pain-pain.fr/
2-4.BO & MIE(ボー・エ・ミ)
パリ2区にある「BO&MIE(ボー・エ・ミ)」は、美しいフォトジェニックなヴィエノワズリーが人気のブーランジュリー。
ウッディ&ナチュラルカラーでまとめた店内は、初めての人でも入りやすくてイートインコーナーも充実しています。
ランチタイムは自慢のパンとサラダのセットのパンランチも提供しており、多くのパリジェンヌが訪れます。
もともとモード系の仕事をしていたというパン職人が作るパンやケーキは、形や色彩が美しく、どれも食べたくなってしまうクリエイティブ系。
フランスの人気テレビ番組「La meilleure boulangerie de france」に参加しただけあって、お味の方も間違いありません。
パリの中心部にあるので、観光の途中に寄ってみてはいかがですか。
- 住所:18 Rue de Turbigo 75002 Paris
- 営業時間:7:30~20:00
- 定休日:不明
- 最寄駅:メトロ4号線Etienne Marcel 駅
- 公式サイト:https://www.boetmie.com/
2-5.Maison d’Isabelle(メゾン・ディザベル)
5区にある「Maison d’Isabelle(メゾン・ディザベル)」は、クロワッサン部門で2018年パリNo.1に輝いたブーランジュリー。
それだけに、売り場の面積もクロワッサンががっつり占領しています。
パン・オ・ショコラも以前に賞を獲得している実力があるため、多くのパリジャンがこれらを目当てに押し掛ける人気店です。
食べた瞬間、濃厚バターの風味が口に広がるクロワッサンがたまりません!サクサク系クロワッサンが好きな人は、ぜひどうぞ。
- 住所:47 boulevard Saint Germain 75005 Paris
- 営業時間:6:00~20:30
- 定休日:月曜日
- 最寄駅:メトロ10号線Maubert Mutualité駅
- 公式サイト:なし
2-6.DUPAIN(デュパン)
セレクトショップが立ち並ぶ北マレ地区。そのおしゃれなカルチエにあるブーランジュリー&パティスリが「DUPAIN(デュパン)」です。
2015年夏にオープンをしたばかりですが、小麦の味がしっかり感じられるフランス産オーガニック小麦を使用したパンが注目を浴びて、早くも人気店の仲間入り。
カフェのように入りやすい店内は、イートインコーナーもあります。パティスリとしても評判が高いので、ショッピングの休憩にケーキ&カフェはいかが?
- 住所:20 Boulevard des Filles du Calvaire 75011 Paris
- 営業時間:火~金8:00~20:00、土8:30~19:00、日9:00~18:00
- 定休日:月曜日
- 最寄駅:メトロ8号線 Filles du Calvaire駅
- 公式サイト:https://www.dupain.paris/
2-7.Poilane(ポワラーヌ)
Poilane(ポワラーヌ)はパリの左岸、ソルボンヌ大学があるサンジェルマン・デ・プレエリアに本店があります。
他にもマレ地区(3区)、エッフェル塔近く(15区)、19区にも店舗を持っています。
パン ドゥ カンパーニュ(田舎風パン)など、ブール系のパンに定評があり、1932年から続く老舗店。
多くのレストランやカフェにパンを下していて、「こちらではポワラーヌのパンを使用」と提示されるほどの実力店です。
日持ちするパンが多いので、帰国日当日に買って、日本へ持ち帰ることもできますよ。
ブーランジュリーの隣では、自らが経営する「Comptoir Poilâne(コントワール・ポワラーヌ)」というブラッスリーがあり、カジュアルな食事やケーキを提供。
朝7時から営業しているので、おいしいパンモーニングはいかがでしょうか?
- 住所:8 Rue du Cherche-Midi 75006 Paris
- 営業時間:月~土 7:00~20:30
- 定休日:日曜日
- 最寄駅:4号線Saint Sulpice駅、10号・12号線Sevres Babylone駅
- 公式サイト:https://www.poilane.com/
フレッシュなパンを堪能しよう!
せっかくパリへ行ったのなら、ブーランジュリーに寄って本場の味を堪能しましょう!
人気のあるパン屋さんほど回転率が高いので、焼き立てパンをゲットできる可能性があります。
対面式で注文するので、初めての人は戸惑うかもしれません。でも、観光地パリには色々な国の人が訪れるため、売り子さんも慣れています。
臆することなく気になるパンをオーダーしてください。
イートインコーナーがあるブーランジュリーも多いので、朝食時に使ってもO.K。ホテルで食べるより安くておいしいパンを味わえますよ。